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新型コロナウイルス感染症が問いかけるBCPの新たな課題

事業継続計画(BCP)は、多くの場合自然災害による中業中断のリスクを想定して策定されている。しかし、この度地球規模で蔓延しつつあるコロナウイルス感染症(パンデミック)は発生した場合のリスクの甚大さにおいて自然災害に勝るとも劣らないものがある。

自然災害を対象にしたBCPとパンデミックを対象としたBCPを比較すると、以下のようになる。

 

自然災害を対象にしたBCP

パンデミックを対象にしたBCP

基本方針

事業の継続・早期の復旧。

事業の継続。但し、人が参集する事業では、事業の縮小や休止も。

被害の対象

主として施設・設備及びインフラ等の「物」。

社員及び社員が接する顧客等の「人」が対象。

地理的な影響範囲

局所的。

(代替施設での操業は可能)

世界的。

(代替施設での操業は難しい)

社会的責任への

配慮

業種による社会的責任の違いはほとんど無い。

医業、製薬業は特に継続が求められる。逆に集会所、映画館等は自粛を求められることもある。

被害の期間

1~2ヶ月前後の場合が多い。

半年~1年と長期化することも多い。影響の予測が難しい場合が多い。

被害の制御

突然発生するので、制御は困難。

海外から国内へと発生が段階的に進行する。感染防止策が可能。

事業への影響

復旧すれば比較的短期で売上が回復。

多くの地域、産業にダメージを与えるところから、売上減少が長期化する。

備蓄しておくべき

物品

製造用の資材、販売用の製品。

マスク、消毒薬、医薬品。濃厚接触を防ぐための在宅勤務用のパソコン。

保険の活用

大いに活用が可能。

利用できる保険商品は多くない。

 

(記事:理事 吉永茂)

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