業界情報

業界情報

建設業の研究開発への取り組み(2017年 中小企業 企業白書より)

業種別、従業員規模別に見た中小企業における研究開発の実施割合は以下の通りである。
(注)平成27年中小企業実態基本調査報告書(確報)による。以下の付加価値比率も同様である。

建設業は、いずれの従業員数別においても他業種より研究開発実施割合が下回っている。
建設業界を挙げて「生産性向上への取り組み」の重要性が説かれていることと相反する事実ということができる。
因みに、業種別の付加価値比率を見てみると以下の通りである。
(注)付加価値比率=(付加価値額)÷売上高×100
研究開発に取り組む割合と付加価値率との間に相関関係があるということができよう。

建設企業が永続的に発展していくためには研究開発に「人」、「物」、「金」「情報」を効果的に投入する以下の①→②→③→④の取り組みを繰り返し実行することが欠かせない。
①経営管理の仕組みを見直して、研究開発の成果をコスト削減に結びつけられるように改善を繰り返す。
②①の取り組みにより、付加価値率が徐々に改善し、収益力が増してくる。
③収益性改善に伴い、必要な研究開発投資と人件費アップにより有能な人材の獲得が少しずつ進む。
④ノウハウを持った人材が加わることにより、生産性(収益性)が更に高まる。

このような、「正」のスパイラルを繰り返すことにより、企業の「財務」、「生産」及び「人材」は徐々に向上します。このためには、先ず「自社の現状の確認」と企業の全員が知恵を出し合った「経営計画の策定」が不可欠である。
年の始まりにあたって、「1年の計」を立てましょう。

(記事:理事 吉永茂)

© 2019 SCC Inst.