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【経営事項審査の社会性(W)評価について】

建設企業に対する経営事項審査の評点維持・改善指導において、先生方の本来の“出番”としては、経営状況分析(Y)評価の改正の機会が想定されます。但し近年は、業界全体の経営状況に関わる中長期的な環境変化は認められず(短期的・個別的なそれは様々ですが・・・)、行政一貫性の原則に照らしても経営状況分析(Y)の評価基準・方法は現状維持の方向です。

代わって、建設企業が社会的責任を果たしているかどうか?を測る社会性(W)評価の改正が積極的に行われ、建設企業が安定した経営基盤を持ち社会に貢献できているかを、より詳細に評価する取り組みが進んでいます。

社会性(W)評価には、労働福祉、営業継続、防災活動への貢献、法令順守、経理状況、研究開発、建設機械の保有、国際標準化機構の規格への登録、若年技術者の育成といった多岐にわたる指標が用いられます。その中で、「建設業経理検定」も企業の経理能力を評価する重要な要素となっており、経理士の資格は企業の評価に直接影響を与えるため、専門知識を持つ経理士の存在がますます重要になっています。

建設業振興基金は「建設業経理検定」をPRするウェブサイト「建設経理のプロローグ   https://www.keirikentei-prologue.jp 」を開設し、建設業経理士と建設業経理事務士の資格取得のメリットなどを分かりやすく解説しています。

建設業振興基金は建設業法施行規則に基づく登録経理試験として「建設業経理士検定試験(1級、2級)」を年2回実施し、合格者は、合格から5年が経過した年度が終わるまで経営事項審査(経審)で評価されます。また、継続教育を目的とした登録経理講習として「建設業経理士CPD講習」も実施しています。同基金の独自試験としては「建設業経理事務士検定試験(3級、4級)」を年1回実施し、講習と試験がセットになった特別研修を実施しています。

建設業経理士は、社会性(W)評価の内「建設業経理の状況点数(W5)」の評価要素のひとつですが、「W5」には平均完成工事高が影響します。「完成工事高(X1)評点」の算出で選択する2期平均、3年平均の影響を受けるので、この3年間で完工高に大きな変動があった場合に限り『社会性の状況には一切変化がないにも関わらずWの評価点数が変動する』ことがあります。「建設業経理の状況点数(W5)」についての詳細は、当法人関連企業の以下(↓)のサイトをご参照下さい。
https://thinkkeishin.com/rating/rating-w/w5/

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