業界情報

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建設業のDX化のメリットはミドル業務!

DXとIT化の違い

 DX(デジタルトランスフォーメーション)は、IT化を思い浮かべ「社員にパソコンを使わせているから大丈夫」と思われる建設業経営者も多いのではないかと思います。ただ単にパソコンやソフトウェアを使うだけでは生産性向上には限界があります。企業の業務そのものを変えていき、業務効率化で業務の自動化を図ることがDX化へのポイントとなります。
 たとえば、これまで日報をスマートフォンで入力して自動集計しこれを給与計算や工事台帳にも利用する。また、見積書の情報を入力することで、これを元に受注台帳や請求書、工事台帳などを自動作成する。このように標準化や自動化することで、社員は現場でやるべき作業に集中でき、そこから新しい仕事ができる時間がつくれ、様々な可能性も開かれます。デジタルツールでできる事と、人でしかできない事を区分けすることで、創造的で建設的な時間が確保できる様になります。
 また、業務の自動化を進めると、ヒューマンエラーや業務の属人化を防げます。Excelなどでは、どうしても入力漏れや誤りといったヒューマンエラーがつきものです。ダブルチェックや繰り返しの確認である程度はミスを防げるとしても、そのチェック自体に時間がかかります。その点システムであれば入力漏れや転記ミスなどによるエラーといったものを防止することができます。そしてDXにより業務のやり方を変えると、その業務は標準化されます。つまり、属人化しない高いパフォーマンスが実現します。
 おそらく多くの会社には、ベテラン担当などこの人でないと任せられないという業務がひとつやふたつはあると思います。こうした属人化した業務は、いずれそのベテラン社員が辞めたときに業務が止まってしまう事が考えられます。アルバイトでも社員でも同じようにできるよう業務を標準化するために役立つのがデジタルツールです。
 さらにDXによる業務効率化は働き方改革にもつながります。建設会社では、いまだに週休二日制にするのが難しい会社も多く、DXを少しずつ進めて労働環境が改善されれば社員の離職を防ぐことにもつながり、採用においても、よい人材が集まりやすくなります。建設業界ではまだまだ、DXが進んでいないことを鑑みると、DXに早期に取り組むこと自体が他企業との差別化にもなっていき競合力のある魅力のある企業づくりへのきっかけにもなリます。

DX化を進めるポイントは“ミドル業務”

 DXを推進するためのポイントは一番非効率になっている業務をシステム化しながら成功体験を実感していくことが大切です。DXによる業務効率化は一般的には、財務会計・給与計算や経費精算など主に「バックオフィス(後方支援)」を対象にしたソフトウェアに目がいきがちですが、これらバックオフィスの効率化よりも建設会社の場合、受注前の案件管理や顧客管理などの「フロント業務」と「バックオフィス業務」の中間にある「ミドル業務」の改善が効果的でインボイスへの対応も含まれます。
 建設業における「ミドル業務」は、①契約から受注管理②実行予算(支払予測)の管理③協力業者への発注業務④仕入から支払の管理(買掛管理)④請求から入金の管理(売掛管理)⑤収支予測などがあげられます。
 これら「ミドル業務」は、会社として非常に大切な原価管理に関係しているため、ミドル業務を効率化することが原価管理をうまく運営していく上でのきっかけにもなり、「ミドル業務を原価管理システムで一元管理」することで業界効率化と原価管理の一石二鳥にもなります。
 それでは業務一元化の例をみていきましょう。たとえば取引先から、もらう納品書・請求書から「〇月〇日 A工事 コンクリート仕入れ▲円」と入力すると、工事台帳・仕入元帳・工事別原価一覧表など複数の資料が同時に自動作成されます。この他にも、次のように工事原価管理システムなどのソフトウェアで一元管理することで、さまざまな業務効率化が図れます。
【業務効率化の例】①予算書から発注書に複写②予算書から未発注分を把握(発注漏れを防止)③支払予定表を元に支払伝票を自動作成④支払予定表を元に支払通知書を作成⑤支払予定表を元に銀行振込データを自動作成⑥受注情報を元に請求書を自動作成⑦入金消込を行い売掛金残高をリアルタイムに把握

 ソフトウェアを使って会社の業務を一元化することは経営の効率化にも役立ちます。例えば営業担当が請求書や入金結果をExcelで自分の担当している工事全てをバラバラに管理していると会社全体の入金状況は掴めませんが、ソフトウエアを使えば経理担当が入力した入金結果を営業担当が各自のパソコンで閲覧できます。また、集計機能により月別や担当者別、取引先別といった形で集計・一覧化することで、例えば、取引先のA社が売上は大きいけれど平均利益率よりもはるかに低いなど、改善すべき課題を早期に把握することができます。
 この他にも原価管理に必要な見積や実行予算・発注・仕入など様々な情報を比較・集計することで、経営の見える化がリアルタイムに可能となります。

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