業界情報

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地域建設企業の企業評価などの見返しの方向性が示される

国土交通省は、今後の発注者のあり方を議論している「発注者責任を果たすための今後の建設生産・管理システムのあり方に関する懇談会(座長・小澤一雅東大大学院教授)」に対し、中間取りまとめ方針案を11月10日に提示した。18年度以降の施策に関する以下の4項目が織り込まれている。
(1)企業評価・技術者評価などのあり方
(2)入札契約方式のあり方
(3)監督検査のあり方
(4)建設生産・管理システム全般
上記4項目のうちの、(1)の企業評価・技術者評価などのあり方に関する提示内容は以下の2点である。

(1)多様な企業評価や発注標準の仕組みの構築
企業評価は、これまで経営事項審査(経営力)や技術力をもとに一律の等級付けを行って入札参加資格を区分してきたが、方針案では、全国やブロック単位を市場とする「全国ブロック企業」、主に都道府県や市町村を市場とする「地域企業」及び「専門工事企業」といった企業群ごとの多様な評価を設けることとされた。
各建設企業は、これらの評価を選択することができるので、自らの地域戦略に合った評価制度を選択することになり、今まで以上の経営戦略の策定・運用能力が問われることになりそうである。
又、今後の大量維持更新時代に対応できる工種や等級の見直しも行われる予定である。

(2)地域の守り手を確保するために、高い技術力や現場力を保持している企業が、より大きな規模の工事に参加できるようなインセンティブのある制度の構築も提示されている。
建設企業の人材育成能力の向上が今まで以上に求められることになると思われる。

(記事:理事 吉永茂)

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